電気自動車には「EV」「PHV」といった車の種類があります。「要するに電気自動車なんでしょ?」なんて、ひとくくりにしていませんか?電気自動車は、種類によって、大きな違いがあるのです。そこで今回は、「EV」「PHV」の違いを見ていきたいと思います。
分かるようで分からない!今さら聞けないEVとPHVの違い
電気自動車には、その仕組みによって、いくつか種類があります。
その区別のポイントは、ズバリ、動力源です!
電気だけで動く車、ガソリンと電気を併用して動く車など、動力源が何かによって種類が分かれます。
それでは、EVとPHVについて、それぞれどのような車なのか見ていきたいと思います。
EVは、電気自動車だ!
EVは電気のみで動く「電気自動車」のことです。
電気モーターとバッテリーがついており、ガソリンではなく、電気を充電して走行します。
EVのメリット
では、EVのメリットを見てみましょう。
・エンジン音が静か
EVはガソリンを使用しない=エンジンがないため、走行時のエンジン音や振動がありません。ついでに、マフラーもついていません。乗り心地は、非常に、静か。従来のエンジン車は、「はい、今から走ります!走ります!!走りましたー!!!」といった振動を身体で感じてスタートすると思いますが、EVはとてもあっさりスーと走り始めます。
あまりに静かで危険とのことで、最近はあえて音を発生する機械が取り付けられるようになりました。
・エネルギー費用が安い
EVの場合、使用するエネルギーの費用が、ガソリン代ではなく電気代になるので、圧倒的に安いです。
・補助金・減税の対象になる
環境にやさしい電気自動車は、政府も普及に力を入れています。購入時はCEV補助金の対象になります。また、自動車税も免税もしくは減税の対象になります。
EVのデメリット
気になるデメリットも確認していきます。
・バッテリーの交換費用が高い
EVは、電気で使用するため、バッテリーが必要です。ノートパソコンのバッテリーのように消耗品なのですね。これが、高いです。
また、このバッテリー交換に費用がかかることがネックとなって中古車として販売したい時に、販売価格が安くなるという難点があります。
・航続距離が短い
最も大きなデメリットとして挙げられるのが、航続距離です。スマートフォンも発売当初は使用時間の短さが大きなデメリットになりましたよね。
電池で走る車ですから、充電が切れたら走れなくなります。ですが、メーカーが改良していて、日産のリーフは400km走れるようになっています。
・充電に時間がかかる
充電に時間がかかることは、想像がつくかと思います。では実際に充電にはどのくらいの時間がかかるのか、気になるところではないでしょうか?
200Vでフル充電しようとすると、目安として8時間程度が必要です。
夜充電をはじめたら、朝起きた時に充電が完了しています。ガソリンスタンドに立ち寄る必要がなく、スマホ感覚で充電できるので、便利ですね。電気代が安い夜間に充電する人が多いようです。
外出先で急いで充電したい場合は、急速充電器がありますので、そちらを利用すると、30分程度で80%の充電できます。急速充電は、バッテリーへの負担が大きくなるため、80%までしか充電しないようになっています。アイキャッチ画像を設定
急速充電器は、設置されている場所が、道の駅、ガソリンスタンド、高速道路SA、カーディーラー、商業施設等に限られています。高速道路のパーキングエリアなどでは混み合っていることもあるようですし、カーディーラーや商業施設では、営業時間内しか使えないことも多々ありますから、事前に充電できる場所・時間帯の確認をしておくとよさそうです。
買い物や通勤がメインの使用なら問題なさそうですが、遠出となると、やはり充電の問題はデメリットとなるでしょう。
充電できてガソリンも使える!?便利なPHV
PHVは「プラグインハイブリッドカー」のことです。
いきなり長いカタカナ言葉になりましたので、一つずつ分解してみたいと思います。「プラグイン」とは、家庭用の電源からコンセントで充電できるという意味です。「ハイブリッド」とは、異質なものが組み合わさった複合型のこと。この場合、ガソリンと電気の組み合わせのことをいいます。つまり、PHVとは、「ガソリン」と「自宅で充電する電気」を併用して走る車のことです。エンジンと電気モーターの両方がついています。また、走行中のエネルギーで発電して充電することも可能なのです。
PHEVと表記することもありますが、メーカーによる表記の違いで、意味は同じです。
PHVのメリット
EVの短所「航続距離が短い」「充電に時間がかかる」を補っているがPHVです。PHVは、電気とガソリンを併用しています。そのため、電気が切れた場合でも、ガソリンで走行できるのです。
・航続距離が長い
PHVは、発電しながら走ります。そのため、航続距離が長くなります。
・ガソリンで走れる
充電施設でなくても、普通にガソリンスタンドで給油して走行を継続できます。給油なら、時間もかかりませんね。
・費用が安い
電気を使うため、ガソリン車と比較して、費用が安くなります。
・減税の対象になる
EVと同じく、補助金・免税・減税の対象となります。
PHVのデメリット
それでは、PHVのデメリットにはどのようなことが考えられるのでしょうか?
・車を購入する時、高額になる
エンジンと電気モーターがついているため、どうしても高額になります。
・電気の充電とガソリンの給油を管理する必要がある
デメリットに感じない人もいるかもしれませんが、電気は充電、ガソリンは給油が必要です。ひとつで済まないので、人によっては面倒に感じるかもしれません。
・排気ガスが出る
ガソリンを併用しているため、EVのように排気ガスゼロとはなりません。
EVとPHVの違いをまとめると「エンジン搭載」の有無
EVとPHVの違いは、エンジンがついているかいないか、つまりガソリンの使用をするかしないかです。
電気のみの場合は、電気代が安くなる一方で、遠距離移動には向いていないという特徴があります。
通勤や買い物で使用する方は、EV。
遠方へ出かける際に使用することが多い方はPHVがおすすめです。
他にもある電気自動車「HV」「FCV」とは?
実は、EV・PHVの他にも、HV・FCVという種類があります。
HVは「ハイブリッドカー」です。電気とガソリンで動きます。
あれ?PHVと何が違うの?と思いますよね。
PHVが「プラグイン」つまり充電できる電気だったのに対して、HVは、充電ができません。ガソリンを給油して使用します。
充電せずにどのようにして電気を使用するかというと、最初はガソリンで走り、走行中のエネルギーを利用して発電する仕組みなのです。この発電した電気を走行に使用します。
メインとするエネルギーはガソリンで、電気は補助と考えると分かりやすいかと思います。
電気で走っている時間が長いので、普通のガソリン車より燃費がいいです。
次にFCVは、燃料電池自動車です。
その燃料は、液体水素。専用のステーションから水素を補給して、自家発電した電気で走ります。
EVが、コンセントで充電するのに対し、FCVは水素で自家発電。
蓄電の方法が異なるだけで、電気のみで走るという括りでは同じため、FCVはEVの一種になります。
現状では、FCVは、水素ステーションが少なく、車も高価で、納車までに時間がかかるという状況のようです。
電気自動車4種類を整理すると・・・
EV:電気自動車。電気のみで走る。充電して使用。
└FCV:燃料電池自動車。EVの一種。水素燃料で電気を発電して走る。
PHV:プラグインハイブリッドカー。充電可能な電気+ガソリンで走る。電気・ガソリンともに補給可能。
HV:ハイブリッドカー。ガソリンの走行エネルギーを利用して発電しながら走行。ガソリンは給油する。電気の充電は不可。
いかがでしょうか?電気を使って走行する自動車といっても、たくさん種類がありますよね。
今は、充電施設も充実していますし、航続距離も伸びていますから、これからどんどん、電気自動車の時代が加速するかもしれません。ぜひ、区別がつくようになっておきたいですね。
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