EV充電器を設置する人が貰える補助金と申請の流れ

電気自動車を利用する上で不可欠なのが、EV充電器。EV充電器の設置場所は増えてきていますが、できれば自分の家にある方が都合が良いですね。また、商業施設やマンション管理のお仕事をされている方は、EV充電器設置の要望が徐々に増えてきているのではないでしょうか?

今回はEV充電器設置の補助金制度について、詳しく見ていきたいと思います。

補助金制度は大きく分けると2種類ある

電気自動車の購入に補助金制度があることは知っていても、EV充電器設置に補助金が出ること自体知らない方も多いのではないでしょうか?ですので、どこに問い合わせたらよいかもわからない方が多いと思います。

EV充電器設置の補助金は大きく分けると、国による補助金制度地方自治体による補助金制度2種類があります。

国による補助金制度は、一般社団法人次世代自動車振興センターという団体を通して行っています。申請する際もわざわざ事務所まで行く必要はなく、一般社団法人次世代自動車振興センターのホームページから補助金申請をすることができます。

地方自治体による補助金制度は、各地方自治体によって補助金制度の有り無しや補助内容の違いがありますので、お住まいの地域の補助金制度をチェックする必要があります。また、東京都などは、東京都が都レベルで行っている補助金制度と市区町村レベルで行っている補助金制度があります。

国による補助金制度の内容と申請方法は?

補助金制度の内容

国によるEV充電器設置の補助金制度は、「電気自動車・プラグインハイブリッド自動車の充電インフラ整備事業費補助金」という名前で、一般社団法人次世代自動車振興センターが行っています。

一般社団法人次世代自動車振興センターによる補助金の対象は、①高速道路SA・PA及び道の駅等への充電設備設置事業、②.商業施設及び宿泊施設等への充電設備設置事業、③マンション及び事務所・工場等への充電設備設置事業の3つの種類に分かれており、主に法人やマンション管理などの団体が補助金を受ける対象になっています。戸建住宅に個人がEV充電器を設置することは補助の対象外になっていますので、注意してください。

補助率は2分の1や3分の1など内容により異なります。また、補助金支給の対象となる充電設備も指定されています。

補助金の申請方法

①申請システムへのアクセス

申請は、一般社団法人次世代自動車振興センターのホームページからオンラインで行います。

一般社団法人次世代自動車振興センターのホームページから、「充電インフラ補助金」のボタンをクリックします。クリックすると「充電インフラ補助金」のページに移ります。

「充電インフラ補助金」のページで、「オンライン申請ログイン」のボタンをクリックすると申請ページに移ります。申請方法は、横の「操作ガイド」をクリックすると操作方法を見ることができます。

②申請書の提出

補助金の申請には最低でも以下の書類が必要になり、申請内容によって他にも準備する書類があります。詳しくは、一般社団法人次世代自動車振興センターのホームページでご確認ください。

・本人確認書類
・設置場所見取図
・平面図
・電気系統図
・配線ルート図
・要部写真
・充電設備の見積書
・設置工事の見積書

③交付の決定もしくは不採択

申請した後、一般社団法人次世代自動車振興センターで補助金を交付するか不採択かを決定し、申請者に通知します。

④設置工事開始

補助金交付の決定通知を受けたら、申請者は30日以内にEV充電器を発注し、設置工事を開始します。工事開始後、申請した工事完了予定日より完了日が遅れる場合は、速やかに報告する必要があります。

⑤実績報告提出

申請者は、設置工事もしくは支払いが完了したら、実績報告を提出します。

⑥補助金額確定と補助金の交付

一般社団法人次世代自動車振興センターが実績報告を審査して、補助金額を確定して通知し、補助金を交付します。

地方自治体による補助金制度の内容と申請方法は?

地方自治体による補助金を受け取るには、補助金制度がある自治体の地域に住んでいる、もしくはその地域で事業などを営んでいることが条件になっていることがほとんどです。

地方自治体の補助金も一般社団法人次世代自動車振興センターのホームページで確認できますので、お住まいの地域で補助金制度があるかをチェックしてみてくだい。

一般社団法人次世代自動車振興センターホームページのトップページ右上の「全国の補助事業」をクリックします。

 

見たい地域をクリックすると、その地域の都道府県や市区町村の一覧が下に表示されます。

 

例えば「東京都」をクリックすると、「都道府県」の欄に東京都、「市区町村」の欄に東京都の23区や市が表示され、それらをクリックすると各地方自治体が行っている制度の一覧を見ることができます。

都道府県の欄に表示されている「東京都」をクリックしてスクロールすると、東京都ではEV充電器設置の補助金制度として「集合住宅における充電設備等導入促進事業」があることがわかります。この制度は、主に賃貸マンション・アパートの所有者やマンション管理組合が対象者となる制度です。

さらに市区町村の欄の各地域を調べてみると、東京都の市区町村でEV充電器の補助金制度があるのは、港区、杉並区、荒川区、練馬区、多摩市の5つでした。

その中でも、戸建住宅を対象とした個人に対しての補助金制度があるのは、荒川区、練馬区、多摩市の3つになっています。

ただし、戸建住宅向けの補助金制度があるとしても、練馬区のようにビークル・トゥ・ホームシステム(V2H)という、EV等に搭載された電池から家庭に電力を供給できる機能を持つ機器のみが対象になっていることもあります。ご自身の地域で補助制度を調べる際は注意してください。

東京都では、戸建住宅向けに普通充電設備が補助対象になっているのは、多摩市の補助金制度である「多摩市住宅用創エネルギー・省エネルギー機器導入補助金」のみでした。

多摩市の補助金制度では、補助対象機器が、太陽熱ソーラーシステム、太陽熱温水器、エネファーム、太陽光発電システム(余剰売電)、そして、EV充電器(普通充電設備)となっています。このように地方自治体の補助金制度では、EV充電器のみを対象にした制度は少なく、省エネや創エネに関する機器の一つとしてEV充電器が対象になっているケースが多いです。

ちなみに多摩市「多摩市住宅用創エネルギー・省エネルギー機器導入補助金」のEV充電器(普通充電設備)の補助金額上限は100,000円(機器本体価格の4分の1)になっています。

補助金の申請方法は各地方自治体の補助金制度によって若干の違いはありますが、基本的には必要書類を提出して、地方自治体の担当部署や委託している団体が審査する流れになっています。

多摩市「多摩市住宅用創エネルギー・省エネルギー機器導入補助金」では、戸建住宅にEV充電器を設置する申請をする場合は、以下の書類が必要になっていました。

・補助対象機器の設置図

・補助対象機器の設置に係る領収書及び内訳書の写し

・対象機器の形状、規格、型式、品番等がわかるパンフレット等

・申請日の3ヶ月内に発行された申請者の住民票

・納税状況確認承諾書

・賃貸住宅または使用貸借住宅である場合は、補助対象機器を設置することについての当該住宅の所有者の同意書

・補助対象機器の設置日が確認できる書類

・補助対象機器の設置後の状態を示す写真

・その他市長が必要と認める書類

EV充電器設置に関する補助金 まとめ

EV充電機器設置の補助金は、国による補助金制度と各地方自治体による補助金制度に分かれます。補助金制度は積極的に活用していきましょう。

平成30年度時点でのEV充電器設置の補助金対象者は、法人やマンション管理組合などの団体がほとんどで、戸建住宅にEV充電器を設置する際の個人向けの補助金制度は一部の地方自治体が行っているのみです。

しかし、電気自動車普及の流れは今後さらに拡大していくことが予想されますので、平成31年度以降、皆さんがお住まいの地方自治体で個人向けEV充電器設置の補助金制度が新設される可能性もあります。ご検討の方はこまめにチェックしておきましょう。

また、補助金申請の提出は、EV充電器の設置前に申請を求めるケースがほとんどですので、補助金申請の提出は購入前から計画的に行いましょう。

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